木工家具のKさんに塗装が出来上がったと連絡を入れた。
品物を取りに来たKさんは、持ち帰ろうとしたとき、パイプの先に
ぶつけてしまった。
結果は・・・塗膜が擦れて剥げただけでなく、えぐれてしまった。
持ち帰って取り付けの作業をするつもりだったとか。
それは午前10時ころのこと。
ちょこちょこっとすぐに直るものだと思っていたらしく、しばらく待っていた。
「お昼くらいには出来る?」
「早くて今日の夕方、明日の朝の方がいいんだけど」
「そんなにかかるんだ。じゃ出直してくる」
と言って帰っていった。
塗装しおわった部分を養生しなければならない。たとえ同じ色を吹き付けるにしても
天板部分は仕上がっているので、キズの部分だけをパテ処理して直す。
パテが乾かないと平らに砥げない。物によっては乾いたパテが痩せて
更にパテを付けないとならない場合もある。
時間が必要なのだ。
吹きなおした。完全に乾いてから養生の紙とテープを外す。
塗装はよく、女性の化粧に例えられる。特に家具や建具の塗装は・・・
塗装する品物を作る人や、それを扱う人、運ぶ人など、このような仕事に携わっている
関係者でさえ、
「塗装さえすれば粗隠しできる」「塗装すれば多少のキズやズレなどもわからなくなる」と
思っている。・・・なので、扱いがぞんざいだ。
生地の下地をキッチリ処理しないと塗装仕上げしてから、悪かった所が出てくる。
例えば、運んでくるときなどちょっとポツポツ雨に当たったとする。
乾いて届いて、見た目ではまったくわからないが、塗装すると雨粒が現れるのだ。
濡れた所と乾いてる所は塗料の吸い込み方が違うから。
雨に当たったのが事前にわかれば対処してやれるが、ちょっと濡れたぐらい関係ないだろう、乾いたしと、気にしないでいられることが多いのだ。
キズもパテするんだからこれくらい大丈夫だろう。生地が少し足りないが、ちょっとならこれを使おう、塗れば判らなくなるから。ちょっと隙間ができたけどまぁいいか、パテで埋めるんだから。段差が出来た、まぁいいか、パテで処理するんだから。
雨粒ではないが、ちょっと気をつければ済むことなのに、きれいな品物は出来上がりもきれいなのは言うまでもない。
女性の化粧、下地が良ければきれいにできます。下地に時間が掛かるのは出来上がりはどうなんでしょう。自然さがなくなるのかも。
このような扱いは塗りあがった物に対しても似たようなもので、運んでいった先で
「キズがついていた」「キズをつけてしまった」「現場で寸法が合わなくて品物を切った」etc
塗装した物が無事納まることを願う毎日です。