同級生のH君とA君が用もないのにやって来た。
最初は静かだったがやがて二人でゴチャゴチャ話始めた。
「静かにしてよ!」と注意したが、聞こえてないのか聞こえてても無視したのか、更に調子に乗って
私が気に障ることまで言い始めたのだ。
私は墨の付いた筆を右手に持ち上げ「うるさい!」と怒鳴る。
ますます図に乗ってからかうから、教室の中を筆を持ったまま追い掛け回した。
私が諦めずに追いかけるので、少し驚いた様子をみせて二人は窓から外へ逃げた。
彼らにしてみればそれで終わりのはずだった。
私はといえば、、、もちろん窓を越えて追いかけた。
そして、、、もちろん墨の付いた筆を手に。
彼らの読みに反して、追いかけることを止めない私を見て、本気で、真顔になって逃げた。
まだ私が足の早さに自信を持っていた頃で、彼らもその事は十分承知していたからなのだが・・・
その時のことを、夏の怪談話のように「こわい話」の一つだとH君は今でも言う。』K